マダツボミの観察日誌

ギャルゲーマーによる、ギャルゲーやラノベの感想、備忘録とか

9-nine-ここのつここのかここのいろ 備忘録・感想【ネタバレ注意】

 定期的に生じるエロゲ衝動を抑えきれなかったので、ずっと気になっていた―――

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 ぱれっとさんの『9-nine- ここのつここのかここのいろ』をプレイしましたので、episode.2に行く前に備忘録を残しておきたいと思います。

 4作品中の1作品目ということで、これ単体で評価するのは難しいですが、めーーーーっちゃ後味悪い終わり方しましたね。私はこれ書いたらすぐepisode.2やる予定なので良いですが、これリアルタイムでやってたらちょっと怒ったかもしれません。

 今回は備忘録ということで、今後の展開の予想とキャラの所感の方書いていきます。

 通してプレイ済みの方は、ああこいつ予想全然外してるよって生暖かい目で見守っていてください。私はこの記事を全クリした後に読み直すのが楽しみです(そのために次を読まずに我慢して書いた)。

 

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ぬきたし1感想

 今回は発売してから大分時間は経ちましたが、2も発売したということでプレイしました――――

 『抜きゲーみたいな島に住んでいる貧乳はどうすりゃいいですか?』通称”ぬきたし”の感想を書いてきます。

やたらスタイリッシュなセカンドタイトル画面

 あらすじ!ぬきたしはドスケベセックスをすることが義務付けられるという条例が敷かれた島で、性行為をすることに様々な理由で忌避感を覚える少年少女が条例打倒のために奮闘するといったお話です。これ文字に起こすと最高に意味不明ですね

 プレイ始めてすぐは、島の人間のセックスの際の意味不明なのに語呂とノリが良すぎる台詞回しにゲラゲラ笑っていましたが、中盤ぐらいになるとこの言動にも慣れてきて、無表情でマウスをクリックしてました。あーこうやって主人公たちは島に適応していくんだなあって感慨深くなりましたね。

 あと適応してしまったという話続きで、最初は朝目が覚めた時にBGMであえぎ声が流れていた時点で笑ってたのに、中盤ぐらいでは気にならなくなって、グランドの最後には朝のあえぎ声で少し感動すらしてましたからね。慣れって怖い。

 さて、個別ルートに入ると序盤のねじがぶっとんだ文章は鳴りをひそめ、少年漫画的なバトル物に代わっていきます。ああ、岬ルートは最後までネジとんでましたね。バトルシーンは戦力差が大きすぎて、正直微妙なところも多かったですが、奈々瀬ルート最後のvs会長戦とかヒナミルートのvs県長とかは好きでした。ただ、岬ルートは完全にギャグマンガ時空でしたし、文乃ルートは異能力バトルみたいになってて、ちょっと頭が話を受け付けてくれなかったです(アペイリアもよく考えれば同じようなことやっていたのにどこで差が生まれた?) 。最初から他の意味でぶっ飛んでたからこれはこれでよかったのかな?

 はじめ、この設定で純愛モノにしたのはミスマッチだなと感じてましたが、最後までプレイしてみれば逆に自分が先入観にとらわれていただけで、この二つはマッチしているなと納得させられました。

 一見(?)頭のおかしいやりとりをする町の住民達を見て主人公達に共感するわけですが、ストーリーを進める中でSSの過去を垣間見せられたり、グランドでの弾圧シーンを見せられたりすると揺れるわけです、価値観が。正直この設定で価値観を揺さぶるようなシナリオを描いたライターは天才だと思います。自分自身に驚きがあります。

 

 

 前置きが長くなりましたが、個別ルート感想行きます。

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【ギャルゲー界のミラノ風ドリア?】ラズベリーキューブ感想

 お久しぶりです。皆様コロナウィルスが蔓延している中、ご無事でしょうか?

 今回は後輩の強い薦めにより、まどそふとさんのラズベリーキューブ』をプレイしたので、久々のギャルゲー感想行きたいと思います。

f:id:saijunior2002:20200608213745p:plainパステルカラーで彩られた可愛らしいタイトル画面

 一言で『ラズベリーキューブ』を表すとしたらド定番ですね。サイゼリヤのミラノ風ドリアの如く、COCO壱のチキンにこみカレーの如く、もう何度も頼んで食べ飽きたはずなのに、何故か注文して食べちゃうようなゲームです(毎度の分かりにくい例え)。悪くいえば特に面白みがなく記憶に残らない話だったとも言えますが、プレイをしてる時はニッコニコでマウスをクリックしてたので、満足感はあります(1ルートを除く)。

 キャラは特徴的で可愛く、話はコミカルで、初恋の甘酸っぱさを体験できるというキャラゲーの醍醐味を遺憾なく発揮できている作品だったのではないでしょうか?

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【良質なエンタメ作品】『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』感想

 突然ですが、私はラブコメが好きです。さらに言えば、私は数あるヒロイン属性の中で一番好きなのが『幼馴染』です。でも大抵幼馴染が負けるので、負けないルートもあるギャルゲーを好んでやっています。そんな私が今回読んだ作品は、

 『幼なじみが絶対に負けないラブコメです。

 幼馴染が絶対負けないってタイトル凄いですね。これだけで読もうって気になりました。

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

幼なじみが絶対に負けないラブコメ (電撃文庫)

 

 まさかヒロイン全員幼馴染とは、恐れいったぜ・・・。ここから2巻も順調に幼馴染が増えていって幼馴染パンデミックが起きていますが、3巻以降も増えていくんでしょうか、恐ろしい作品に出会っちまったな。

 純正幼馴染はクロちゃんなのでこの子がメインヒロインぽいですけど、1巻終了時点で雲行き怪しくなりましたね。なんだこの展開、全員が全員から回って誰もうまくいってないの面白すぎです。こんなラブコメ初めて読みました。なんていうか、予想外です。

 

 さて、お話の感想行きましょう。

 まずこの作品は、疾走感が凄いですね。作者様があとがきで書かれている通り、『過剰な青春』というのが遺憾なく表現されていると思います。クラス内で可愛い幼馴染と仲良くしていると、クラスの男子達によってたかって袋にされそうになるとか、主人公の親友枠のキャラがクズなんだけど開き直っていて逆に憎めないところとか、ヒロインの情緒が不安定な所とか、主人公が馬鹿ですぐ土下座で解決しようとするところとか、全部物語としては過剰な表現なんだけど、理屈じゃなくて感情で動く学生らしさみたいなのが感じられて、私は好きでした。多分この作風を全く受け入れられない人っていうのも一定数いるんじゃないかなと思います。とにかく一言で言えば「馬鹿な物語」ですね。物語の雰囲気は『バカテス』に近いと思います。一昔前のギャルゲーの共通パートとかもこんな感じだったかな?。

 またこのラブコメただのラブコメじゃないんですね。普通のラブコメって、ある空間で主人公とヒロイン達が出会って、色んな障害を乗り越えて徐々に距離を縮めていって、最後に一人を選んでくっつく(ハーレムエンドもなくはない)といった話になると思います。ただ『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』は一味も二味も違うんですよね。最初から幼馴染である黒羽は主人公に振られているから、最初からゼロ距離です。本来だったらここで話が終わってしまうんですが、本作はここから物語がはじまります。一度振られただけじゃ、終わらない。振られた痛みを、初恋が成就しなかった辛さを振った相手にも分からせて、そこからリスタートだと。

 普通のラブコメだったら主人公が鈍感で、なんでヒロインの好意に気づかないんだよ・・・って思うときもありますが、この作品については100%主人公に共感できましたね。いやこれは勘違いするし、躊躇うでしょっていう。だから、主人公とクロとシロの3人が空回ってる様が真に迫って、非常に面白いんです。本当にこいつらうまくいかねーなって呟きながら笑ってました。最後の『ヤダ』は大爆笑でしたね、普通ここ読んでて落ち込むシーンですよ?まさにこの作品がラブ”コメディ”だと言うことを象徴するシーンだと思います。

 『幼なじみが絶対に負けないラブコメ』は、一味違うラブコメと、ジェットコースターに乗ってるような怒涛の会話展開で楽しめる、とても良いエンタメ作品でした。このラノ新作2位の実力は伊達じゃないですね。最近色々読みましたけど、やっぱり電撃文庫ラノベ界でも一味違うなって再確認しました。1位の『七つの魔剣が支配する』も別格に面白かったですし、今度気合が入った時にでも感想を書いていきたいですね。

 ではでは。

【糖質過多注意報】『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』感想

 今回は、『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』(タイトル長ぇ!!)の感想を残していきます。

 この作品、ただ只管に甘く、幸せで、読んでいる間も読み終わった後もつい笑顔になってしまうような、そんな素敵な作品でした。コロナウィルス対策でマスクしてなかったら、電車の中でヤバい笑みを浮かべている人になってるところでした、危ない。

 兎に角シリアスがないし、シリアスがあっても次のページにはハッピーになっているという、幸せ時空の中で、3組のカップルたちのやり取りが微笑ましく、口角が上がりっぱなしでした。

 ヒロイン達が可愛いんですよね。まず挿絵が、キャラデザがありえん可愛い。それだけでこの作品の評価をプラス一億点していると思います。ツンデレ悪役令嬢のリーゼロッテは、実況解説のお陰でツンツンしててもデレてるのがバレバレで、それを知ったジークに純粋な好意を向けられてあわあわしちゃう様子とかありえん可愛さで身悶えしました。そりゃ小林さんも遠藤くんも応援したくなるってものよ。

 そして、現実世界から実況する小林さんもかーわいいんですよね。リーゼロッテの可愛いシーンに身悶えして、踊りだす様とか想像するだけで可愛いです。ポニーテールも可愛いし、遠藤君に対して無防備なのも可愛い、リーゼとジークの恋愛話を劇にして、自分と遠藤君で演じようとするのも可愛い、可愛すぎるだろお前。

 

 ストーリーとしては、設定がやはり新しく面白かったですね。ゲームをやっていたら登場人物たちに自分たちの声が聞こえるようになって、物語をハッピーエンドにするために助言していくという話で、ただ乙女ゲームを進めるだけでは普通な所が、解説実況が入ることで新鮮に感じました。意外、といったらなんですけど、なぜこういう設定になったのかという話がしっかり描かれており、短いながらによくまとまっていたのも好感度高かったです。

  ライトノベルの中でも頭を空っぽにして読めるものと、テーマ性がありしっかり考察しながら読んだ方が面白いものがあると思います。このどっちかに振り切らないと中途半端なものになるというか、大衆文芸作品たちに負けちゃうんですよね。この『ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん』は、前者に振り切った良作だと思います。仕事に疲れた時や焦燥感に狩られた時など、ふとこの作品を読めば、きっと笑顔になれる―そんな一作でした。