【なろう感想シリーズ①】『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』
唐突ですが、最近ではComicwalkerやニコニコ静画に、所謂なろう作品のコミカライズ版が大量に掲載されていますね。
私も御多分に漏れず、暇なときにそれらを読んだりするのですが、その中で面白くてつい続きが気になったものは、逆に小説版を探して、続きを読んでいたりします。漫画になっているとぱっと理解できるので面白い作品を探しやすくていいですね。
そんな中で久しぶりに個人的大ヒットの作品を見つけたので感想を書いていこうかと思います。その名も『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』(通称乙モブ)です!
話はタイトルの通り男に厳しく、女に優しい乙女ゲー世界のモブに主人公【リオン】が転生してしまう所からスタートします。この世界は女性の力がありえないぐらい強く、女性は愛人である獣人男奴隷を引き連れて歩くのがステータスであったり、男がATMであることを公言し、横暴な立ち振る舞いをしたり、挙句の果てには男を無理やり結婚させた後、戦場に送り込んで戦死させ、遺族年金を貰って金儲けしている輩までいます。リオン君はそんな連中から逃げるため、前世のゲームの知識を活かしてチートアイテムである【ルクシオン】を手に入れます。そこからはルクシオンを使って、隠居生活を送るために頑張っていくーーーーはずが、逆にドンドン出世していってしまうというのが、乙モブの話ですね。
この作品の良かった所は『設定』『緩急』『キャラ』かなと思います。
まず『設定』についてです。この作品を初めて見る人はタイトルから学園ものでキャッキャうふふするのを想像するじゃないですか?でもこの作品、ガンダムばりにロボットが出てきて大戦するんですよ、タイトル詐欺かな?
また、人類と新人類とは、どうして世界が乙女ゲームの世界観になってしまったか(女尊男卑が強い)、チートアイテムルクシオンはどういう存在なのかといった謎が、章を追うごとに解き明かされていきます。
一応この作品、WEB版は完結しており、最後まで読んだのですが、終わりまできちんと考えられて作られていて感動しました。いや普通と言えば普通なのですけれども、なろうの作品は設定は面白いのに、最後がきちんと考えられていないから空中分解するものが多く、この手の作品は珍しいと感じました。
次に『緩急』についてです。主人公はチート装備を持っていながら、基本的にはそれを積極的に使おうという意志はないため、様々な苦難に立たされます。ただリオンは、口では皮肉や嘘ばかり言うものの非常に優しい性格で、他者が本当に困っている場合は、問題を解決するために容赦なくチートを使っていきます。
これが爽快なんですよね。問題パートでフラストレーションをためて、解決パートで主人公が敵をぶっとばして解放する―――これが良かった。
ただ、力を振るって問題を解決するからには、当然様々な軋轢や新たな問題が発生します。この辺が無視されていないのが、この作品の一味違う点ですね。大抵はご都合パワーでその辺りが有耶無耶にされますが、この作品は違います。
最初リオンが5人の王子たちを決闘でボコボコにして散々煽った際に、ルクシオンからブーメランですね的なことを言われてたのも印象的でした。章を追うごとにその色は強くなって、最終章は本当に救われない戦いでしたが、だからこそ最後のシーンの納得感が増しました。ありがちな展開ではありますけど、ちょっと泣きました。
最後に『キャラ』についてです。これはラノベだと一番重要な要素だと思います。この作品では、出て来るキャラ全員魅力的でした。特に悪役達が光っていましたね。
本当に出てくる悪役達はうっぜええええええええんですよ。最初のゾラは10代のリオンを50代のおばさんに嫁がせたのち、戦場で殺し、遺族年金を掠め取ろうとたくらむ正真正銘の屑だし、学校の女生徒は奴隷を愛人として連れまわし、主人公たち弱小貴族を馬鹿にし貶し、金を搾り取ろうとするし、5人の王子は一人の悪女に目がくらんでヒロインを潰そうとします。公国の人間は自分のことしか考えないし、共和国の人間達は一言クソでした。
どいつもこいつもうざすぎるからこそ、ヒロインであるアンジェとリビアがマジモンの天使に見えてくるし、リオンが悪役達をボコボコにするのを見ると、爽快感が半端なかったです。
また相棒枠のルクシオンも忘れてはいけません。ルクシオンがいい感じにリオンのイキりにツッコんでくれるから、うまくコメディとして成り立っている部分も多かったと思います。また、リオンとルクシオンのやり取りはどれも面白く、物語に彩りを添えていましたね。
それ以外も印象的なキャラが多かったです。マリエは当初悪役キャラで、本当にこいつどうしようもない糞だなと思っていたのですが、章を追うごとに段々となんか憎めなくなってきて、最後は凄い好きになってました。王子たちも一緒ですね。段々改心というか成長していって、憎めなくなりました。最後の章での彼らの活躍は、お約束ながら感動しましたね。
そのほかもリオンの悪友’s、王妃さま、馬鹿王、リオン姉など魅力的なキャラが多く、本当に読んでいて飽きませんでした。
『設定』『緩急』『キャラ』、考えてみればラノベに必要な要素ってこれですよね。これら3つが揃っていた『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』は本当に良い作品でした。
どうやら書籍版は少し変更箇所があるようなので、ちょっとしたら書籍版も買って読もうかな?GCノベルもうちょい安くならないかな・・・
今回はそんな感じで終わりにしたいと思います。ではでは!
【スポブラを ずらして残せ 主人公】喫茶ステラと死神の蝶 涼音√、全体感想
『喫茶ステラと死神の蝶』、涼音√終わって、これにてオールクリアです。
今回は涼音√の感想をちらっと紹介して、全体を通しての感想を書いていければと思います。
涼音√感想
涼音√はサブヒロインということで、シナリオの進行自体は可もなく不可もなく、普通でした。まあずっとキッチンを一緒にしていて、部屋も近ければそういうこともあるかなあといった進行です。
涼音さんは、見た目自信があるように見えて、内面ではプレッシャーに苛まれるタイプです。一番人間っぽいキャラかもしれません。結構こういうタイプ好きですね、親近感沸きます。
そしてチョロインです。
石鹸枠のヒロインぐらい涼音さんは簡単に主人公に堕ちます。ちょっと事故で押し倒されただけで、滅茶苦茶意識しちゃう涼音さんは可愛すぎて、見ててニマニマしてました。
背伸びしようとしてる子供みたいで可愛いなぁ
デートとかもほとんどないので、話しどころがR-18的なシーンぐらいしかないんですが、アフターストーリーの奴が個人的には好きでした。下着の上から直接シャツを着てるっていうの、普通にエロくないですか?
ただ他のシーンについては、一言もの申したい。
何故!スポブラを!ずらさないで!全部脱がすのか!!!!
いや巨乳キャラは分かりますよ?胸大きいとブラをずらすのは物理的に窮屈だろうなっていうのは理解できますよ?でもスポブラですよ?簡単じゃないですか!なんのためのスポブラですか!
それだけでエロさ倍増計画だと思うんですけど、なんかゆずソフトの貧乳キャラはずらさない。というか貧乳キャラは胸を描かない傾向がありますね。いやお前貧乳なんだから胸描いてもしゃーないじゃんと思うやもしれませんが、そんなことはない!と大きな声(小さな声)で言いたい。
白熱してしまいました。総じて、涼音√は悪くはなかったけど、特別スペシャリテがあるわけではなく最初に書いた通り「普通」でした。年上ロリキャラということで普通に可愛かったです。
喫茶ステラ死神の蝶の総合感想
オールクリアで一枚絵が出て来るの、達成感があっていいですね
『喫茶ステラと死神の蝶』オールクリアしての感想です。
流石キャラゲーの老舗ゆずソフト、本作は期待通り、いや期待以上の作品でした。
一つのギャルゲーには、大体いつも一人凄い好きなキャラがいて、残りは可愛いは可愛いけどそこそこ・・・ってパターンが多いです。リドジョならあやせだし、千恋ならレナ、サノバはとてもよかったのでオナ地さんと紬さんですね。今回は二人いますから、私にとっては大当たりです。これでストーリーがもう少ししっかりしていたら、サノバウィッチ超えてたかもしれません。
各個別感想でも書きましたが、本当にナツメさんと愛衣ちゃんが可愛かった。反則でしょ、あの可愛さは。未だに初日の出のキスシーンとバレンタインのシーン思い出して震えますよ。
この二人の√の何が良かったって、ヒロインとの恋愛模様をしっかり描いてくれたことですね。蝶は悩みと置き換えられるから、悩みを持ったヒロイン(ナツメであれば病弱だった過去から人との距離をとってしまうこと、愛衣であれば親友との仲違い)を主人公が助けるというギャルゲーの基本的な構図になっていました。だから素直に楽しめたんじゃないかと思います。やっぱ王道は最高だよ。
その点、栞那√は惜しかったですね。要素詰め込みすぎなんですよ、あれ。「消失と再会」か「家族の再構成」のどちらかにテーマを絞っていれば、良かったと思います。
とはいえ、ゆずソフトの何が偉いかって、このクオリティの作品を定期的に発売してくれることですよね。最近ゆずソフト成分を切らしてたので、意識が胡乱としていたのですが、今回『喫茶ステラ』で再充填したので後2年は生きていけそうです。本当にいつもありがとうございます。
短いですが今回はこの辺で、ではでは。
最終兵器火打谷愛衣【喫茶ステラと死神の蝶感想】
愛衣√終わりました。感想に移る前に一言、
愛衣ちゃん、ヤバい可愛くないですか?
私、ショートケーキは苺から食べる派の人間なので、共通終わった時点で好きなキャラ順に攻略していったわけです。つまり最後に攻略した愛衣ちゃんは食べ残しでした。それが蓋を開けてみたらどうですか、愛衣ちゃん、可愛すぎる・・・!!!!
というわけで『喫茶ステラと死神の蝶』愛衣√感想行きます。
愛衣ちゃんは明るい笑顔で喫茶ステラを元気にさせるムードメーカー的な存在です。ひょんなことから主人公と交流を持つようになって、不器用だけれども純粋に親身になってくれる主人公に惹かれていく―――といった話で、個別√は進行していきます。
でも他のヒロイン達とは違って、愛衣ちゃんは自分の気持ちがなんだか気づかないんですね。好きだけど、恋愛的な好きであるか分からない、何故なら初恋だから―――って書いてて恥ずかしくなるぐらいのピュアラブストーリーが次々に展開されていくんです。
もう、その愛衣ちゃんが可愛いのなんのって!!
そして、愛衣ちゃんはめっっちゃいい子なんですよ!
自分の能力が友達のためにならないからって、嫌われることを覚悟で距離をとったって話で、「なんてええ子なんだ・・・」って泣いてました。
いつも明るくしてるけど、意外と気にしいな所もあるなど、愛衣ちゃんは全然超人的な性格じゃないんだけど、人に優しくできる。それってすごいことだと思います。いや創作物なのは分かっているんですけど!
そして、バレンタインデーのチョコを渡すシーン、本当に震えました。言葉にできません。自分の気持ちを自覚して、言葉をひねり出す表情、仕草、声、シチュエーション全てが良すぎて、もう言葉にできない。
お前本当に可愛すぎかよ・・・
そこから実際に付き合い始めて、まあこれエロゲ―なのでエッチなこともやるわけですね。でもこの愛衣ちゃんは恋という気持ちすら知らなかった恋愛初心者かつ、ゆずソフトヒロインには希少な、貞操観念のある女の子です。もうこれだけでおじさんの好感度はマックスハートなわけですが、主人公が童貞ヘタレ野郎であることもあり、このままじゃ話が進まみません。
そこで、ヒロイン’sが愛衣ちゃんの貞操観念を切り崩しにいきます。ちょっと話ずれますけど、女子会の時、のぞみんの笑顔なのに全然笑ってない感じが怖すぎません?
全然笑ってないように見えるのは、私の心が汚れてしまったからですか・・・?
そこからなんやかんやあって、愛衣ちゃんは水着で主人公と一緒にお風呂に入ることになります。勿論、ただ一緒にお風呂に入るだけでは終わらず、R-18シーンとなるわけですが、そこからの火打谷さんエロい、マジでエロい。
こんなに日焼けした褐色の肌と真っ白な素肌のコントラストがエロいとは知りませんでした。最初の水着半ずらしのシーンはあまりに最高すぎて言葉を失いましたね。なんだこいつエロの革命児かよ。
その後も主人公のナイスアシストもありつつ、色々な服装でヤるわけですが、全部良かったですね。パンツをずらしたときのパンツと日焼けした肌と白い肌のコントラストは、最高オブザイヤー取れると思います。すごいよ、火打谷さん!
エロに関しては貪欲な主人公好き
後、エロさとは少しずれますけど、シーン中の主人公とのやり取りもすごい好きでした。主人公が最中にエロに対する貪欲さを見せつけて、それに対して軽口をたたきながらもしぶしぶ従っちゃう愛衣ちゃんが本当に可愛かったです。特に、責められてちょっと余裕のない中での「ニヤニヤすんな・・・」は本当に可愛かった、あと「もーっ!すぐからかう!嫌い!」からの「嘘、やっぱ好き」で私は死にました。無事成仏です。南無阿弥陀仏。
ドエロ谷愛衣・・・
話に彩りを添える蝶関係のストーリーも、愛衣√に関しては悪くなかったです。子供の頃からずっと不安に思っていた虫食の目を自由に使えるようになって、大切にしていた友達とも仲直りし、今後も目を使って地域の人々を幸せにしていく―――って、本当にめでたし、めでたしという感じです。言うことなしよ。多分私は、このぐらいのシリアス感を求めているんだと思います。それが丁度よかったのが愛衣√でした。
総じて、終始言うことのない出来でした。正直ナツメ一強だなと思っていたところで、思わぬ伏兵が出てきて本当に嬉しいです。ナツメ√が少し大人目の恋愛劇だとしたら、愛衣√は少女漫画のような、ある種幼いともいえる、純粋な恋愛劇でした。昔『ななつ色☆ドロップス』をやった時も同じようなことを思った気がします。あれもすごい好きでした。
ここまで一時間足らずで書けたこともこのルートが最高だったことを示しているのではないでしょうか。2ルートも良いとか、喫茶ステラの評価爆上がりなんですけど大丈夫か?
ということで今回はここまで、涼音さんはサブヒロインということで、あまり期待せずプレイしていきます。それでは~
『喫茶ステラと死神の蝶』希、栞那√感想
あけましておめでとうございます。
『喫茶ステラと死神の蝶』希、栞那√クリアしてきたので早速感想をば。
希√感想
まず、希√感想です。共通の希ちゃんは本当に可愛く、ナツメの次に好きなキャラだったんでした。主人公との夫婦漫才はニヤニヤしましたし、明るく元気な姿は元気づけられました。幼馴染っていいですよね、私がギャルゲー界で一番好きなのは幼馴染です。
ですが、どーしても付き合ってからの希ちゃんが受け入れられなかった。
重いよ、重いんだ君・・・、他の女の子に嫉妬するところまでは耐えられたんですが、幼稚園児のようにギャン泣きするので、こっちも真顔になってしまいました。『RIDDLEJOKER』の羽月の時にも感じましたが、重いキャラは苦手かもしれねぇ・・・
ただこのルートもCGは良かったです。お気に入りはやっぱりナイトパレードの一枚ですね。主人公に手をつながれてちょっと驚きつつも、恥ずかしさと嬉しさをにじませる表情は最高でした。私も思わず画面の前でガッツポーズしましたね、よくやった主人公。
アオハルか!
シナリオは最後うまくまとめたようで、ちょっと納得が難しい部分もありました。
主人公は蝶(=力)を取り入れやすく強大になりやすい魂を持っていて、希は封印された強い赤磐の魂を引き継いでいる。この二人がくっつくと希の封印された魂が解放される若しくは取り込まれてしまう恐れがあるから、神が引き離すために主人公を殺そうとした―――
そこまでは、いいんですが、最後赤磐の魂を浄化した後、主人公が神の裁きから逃れる道理がなくないですか?
作中だと希とくっついて幸せになったから、主人公の魂の質が改善されるから解決---という話でしたが、栞那√から察するに、主人公の魂は前前前世から望んできた普通の幸せ、好きな人と結婚して、子供ができて、家族で笑い合って暮らしていくことを達成したときに初めて満足するんじゃないでしょうか。また、赤磐の魂との決別のシーンの前と後で主人公の希への想いが変化したとは思えず、何をもって神が見逃したかが不明確でした。すべては神の裁定次第と言えばそこまでですけど、ちょっともにょもにょしますね。
総じて、普通のゆずソフトですかね。シナリオはあくまでキャラの可愛さを補助するものと捉えれば、あまり深く考えるべきものでないかもしれません。
栞那√感想
続けて、栞那√感想です。栞那さん、あまりに可愛いです。これは世界取れます。
共通は文句なく良く、どんどん彼女を好きになれました。気安くエロネタでからかってくるとことか、逆にそれで自爆するとことか大好きです。明るいけど、嫌味がなく、誰にでも優しくて、接しやすい・・・流石メインヒロイン、隙が無い。
CGも良かったです。オムライスを食べさせてくれるシーンは、セリフに合わせて表情がコロコロ変わるのと、顔アップでこちらを見つめてくるような構図が相まって、本当にそこに栞那さんがいるような錯覚を覚えました。膝枕するシーンのちょっと恥ずかしそうだけど、愛おしそうに主人公を見つめる所なんてキュンキュン(死語)来ました。
また、蝶を天界(?)に送り返すシーンは幻想的だったし、観覧車で対面するシーンは切なさと愛しさがダイレクトに伝わってくるようで、見てるこちらも心が揺さぶられました。ステラの前でキスするシーンなどは、唇のリップの香りまで感じられるようでした。とても良い!流石センターヒロインだけあって、CGの作り込みが他キャラとは違いますね。
ただ中盤、死神関係でのシリアスがとってつけたような展開だったのが、少し残念でした。栞那が消えて、主人公と栞那の因果も判明し、諦められなかった主人公がもう一度過去をやり直そうとし、それを栞那が諭して元の世界に戻らせる―というところまではまるで泣きゲーのようでしたが、そこから普通に蝶の力で栞那が復活して「なんじゃそりゃー」ってなりました。蝶の力がいくらなんでもご都合主義だし、消えてからの復活が早すぎるし、ギャグシーンになってるから悲しみにも浸れないし、感情の置き所を見失いました。「物語を展開させるために入れた死神設定を、無理やり清算させるためだけに入れられたシーン」のような気がしてなりません。もうちょっとなんかあったやろ!
ただ終わりは良かったです。主人公と父親の関係は他2ルートやったときは、なあなあで終わっていましたが、そこをしっかり回収していったのは偉かった。死神として幸せな来世を約束したのに、報われなかった主人公の前世を見てきたからこそ、栞那は家庭の在り方に悩む主人公に気づくことができたのではないでしょうか。毎年娘の誕生日を主人公の父親も含む3人で祝うというのは他のルートの主人公ではできなかった。エピローグの主人公は本当に幸せそうで、読んでるこちらも幸せになれました。
最後のシーンはとてもほっこりして幸せな気持ちになります。
ちなみに、Hシーンも凄い良かったです。最初のシーンで恥ずかしくて顔を覆うシーンとか、背後から乳マッサージとか、スカートをたくし上げるシーンとか、完全にツボでした。画面の前で「こいつ分かってるな・・・」ってしたり顔で呟いてましたね。
歴代ゆず作品でも同棲初日からシャワオナしたキャラはいない
総じて、中盤シナリオに疑問符が着くところもありましたが、終わりよければすべて良しとも言いますし、栞那さんがあり得ん可愛さだったので全部許されました。やはりキャラゲーはどこまでそのキャラを好きになれるかにかかっている・・・!
というわけで今回の感想はこの辺りで終わりにしたいと思います。
本年もよろしくお願い致します。
【失われた青春をもう一度】喫茶ステラと死神の蝶 ナツメ√感想
クリスマス、だからかもしれませんが、なんで私はいい歳になってもまだギャルゲをやってるのか、ギャルゲに何を求めているのかということを、ふと考えてしまいました。
エロが見たいだけなら画像は大量にネットに落ちているし、エロにストーリー性を求めるなら同人とかでもいいわけですよね。それで気づいたんですよ、私は自分が体験することができなかった普通の「青春」を追い求めてたんじゃないかって。
何が言いたいかと言いますと・・・
キャラゲーの老舗、ゆずソフト最新作『喫茶ステラと死神の蝶』のナツメ√が、まさに青春の一ページを追体験させてくれる、非常に素晴らしいルートでした。今までのゆず作品の中でも1,2を争う良さだったかもしれません。
何故そんなによく感じられたかは、主人公に死ぬほど感情移入できたことが大きいです。
ゆずソフト作品にしては珍しい大学生の主人公で、彼は等身大の陰の者です。最低限の社交性を持っているけど、人と深く関わることを恐れている。一方で人と深く関わることにひどく憧れを持っている。街で知り合いを見かけても気づかれないようにスッとフェードアウトするとか、ろくに努力もしてないのに彼女を欲しがるとか、わかる、めっちゃわかるわってずっと言ってました。陰キャはめんどくさい生き物です。
物語のはじめで彼と彼の友人が学食でたわいもない話をするんですが、その一つ一つが身に覚えがありすぎて、読んでて共感しかありませんでした。明確な将来のビジョンはないけど就職できるのかとか、普通に就職して結婚して子供を育てて暖かい家庭を築きたいという話に対して、それも最近は高望みだよなぁとか、そもそも恋人作れるのかなぁとか、私も大学生の時同じような話をしたなぁと。
あと、この主人公クソ童貞くさいところもよいですね。バイト先で一緒になった女の子と教室であっても、思わずちょっと離れた先に着こうとするとか、女の子の名前を呼ぼうとするとドモるとか、初エッチのときにいきなりパンツを脱がせようとするところとか。冷静にキモいんですが、だからこそ、めっちゃこの主人公の行動が理解できてしまう。
四季ナツメというキャラについて語りましょう。彼女は陰キャが想像する最高に可愛い現実の女の子を具現化した存在です。二次元創作物でよく出現するコテコテの可愛いキャラは可愛いですけど現実には絶対いないでしょう。知的無垢などその最たるものです(めっちゃ可愛いけど、その人格が構成されるまでのストーリーが全く見えない)。四季ナツメは、美人だけど、事情から陰キャで、うぶで、でも話してみたら気さくで、一緒にいたら楽しいタイプの女性です。このキャラが構成されるまでのストーリーが想像できるし、しっくりきた、より現実的な女性だった。だからこそ、よりストーリーに感情移入しやすかった。
ナツメ√は主人公とナツメの変化の話でした。彼等は両方陰キャで、足を前に踏み出してもいないのに、最初から勝手に決めつけて諦めてる。この作品で言えば魂が弱った状態です。
そんな主人公も劇中、事故にあったことで、変わらざるを得なくなります。陰キャは何かしら理由をつけて変化から逃げがちですが、逃げると死ぬわけですから変わらざるを得ない。物語最序盤の選択肢が印象的です。
断ると死ぬ
主人公が変わったことで、ナツメも変わります。喫茶ステラを盛り上げるために、主人公なりに一生懸命努力し、それを見てナツメも自分にできることを見つけていきます。
そんな中、ナツメが主人公と交流を持つのは酷く当たり前のことでしょう。そして、お酒を飲みに行ったりしながら付き合いを深め、惹かれあっていくの至極当たり前のことだと思えました。兎に角ストーリーが「自然」でした。
1個1個は小さなシーンだけど、その積み重ねに意味があって、だからこそ、初めてお酒を飲みに行ったときに子供っぽくなるナツメが本当に可愛く見えたし、初日の出を一緒に見た時にふと唇が気になってキスをしてしまうシーンでは死ぬほど悶えました。「自然」だからシナリオをスッと受け入れられたし、自分が体験しえなかった「青春」をシナリオを通して受け入れることができました。
そして、完全に没入した状態で見るナツメが只管に可愛いんですね。恥ずかしくなってぐぬぅ~する顔とか、ちょっと親しげにばーかっていってくるところとか、酔ったら可愛くなるところとか、大人っぽく見えるのに実は子供っぽいところとか、仲良くなってから積極的なところとかとかとか・・・本当に可愛いかった。可愛くて可愛くて可愛くて、もうナツメしか目に入らないっていうぐらい、ガチ恋でした。
・・・まあすぐに次のルートやるんですが。
恒例のお気に入りボイス、罵倒が心地良い
最初から最後までナツメ√は悪い所がありませんでした。良い、良い、良いと積み重ねて、最後に幸せな未来を夢見てエンディングと、これ否のつけどころありますか?いやない。
・・・と思って批評空間チラッと見に行ったら、あんまり評判よくないのでびっくりしました。やはりキャラゲーは相性なのか。
ただ、私はプレイしてすごい幸せな気持ちになれたので、星5つです。いつも最高のギャルゲーを提供してくれるゆずソフトに最大限の感謝を。