マダツボミの観察日誌

ギャルゲーマーによる、ギャルゲーやラノベの感想、備忘録とか

『未来ラジオと人工鳩』感想

 あけましておめでとうございます!新年早々世間は大変なことになっていますが、私は今回も変わらず感想記事を書いていきたいと思います。

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 今回はLaplacianさんの『未来ラジオと人工鳩』をプレイしてきました。この作品は昔から知っていたのですが、批評空間のあまりの評価の低さに手を出すのをためらっていたんですね。ただ、昨年度ドはまりした『白昼夢の青写真』の前作品ということでプレイしてみたい欲が高まり、FANZAのウィンターセールで安くなっていたこともあって、購入、プレイしてきました。

 正直舐めてました、面白いじゃないですか。なんか信者みたいなで嫌なのですが、この作品は間違いなく過小評価されてると思います(批評空間で80点ぐらいはあってもいい)。

 久しぶりにあらすじです。

 通信網の変わりとして発明された人工鳩が空を飛ぶ時代、人工鳩は当初の目的からずれて人類が発する電波を食べ、人類は無線による通信網を失なった。この電波食いによって落下したジャンボジェット機の生き残りである主人公ソラは、そんな状況でも他者と通信可能なラジオを開発する。ただそのラジオは未来からの放送を受信する不思議なラジオで―――というお話。

 本作は世界観がまずとてもいいですよね。メンテ不要の人口鳩を飛ばして、ネットワークを構築するという所に夢があるし、繋がりが失われた世界でラジオを作って配信するというのもとてもエモい。未来の放送が流れてきたシーンでは驚きと次の展開が気になってしょうがなかったし、カグヤとの出会いは幻想的でした。美麗なCGと相まって兎に角雰囲気の良い作品でしたね(雰囲気の良い作品と言うと、退屈なことを最大限オブラートに包んだ表現に聞こえますが、本作は純粋に世界観に浸れるという意味ですよ!)。

 そして肝心の物語もしっかりしていました。序盤中盤はいいけど終盤が駄目っていう話を散々聞かされていたので、期待せずに読めたのが良かったのかもしれませんが、凄く綺麗にまとまっていましたね。秋奈の父親の問題、電波食いの謎、未来ラジオ、残された悲しい問題の解決策など全てが繋がっていて隙が無いです。(悪く言えば小綺麗にまとまりすぎてたともいえるかも?)ダイジェスト版『白昼夢』というか、随所にこれが繋がってたんだなぁなんて感慨深くて良かったです。『白昼夢』が面白かったユーザーには是非勧めたい作品ですね。ただ、強くてニューゲームは相変わらず蛇足に感じました。そこまで描いてくれるのも、色々な客層に向けていいのかなとも思いますが。

 最後にちょっとキャラの話を。今作ヒロインは4人いるわけですが、とにかくカグヤが可愛い、げろ可愛い。薄幸の美少女って本当に好きなんですよね、追い詰められたときにこそ人間の美しさが出るというか、可愛いさと綺麗さが同居してるというか。普通可愛さと綺麗さって同居しないじゃないですか?それを彼女が歩んできた辛い歴史が環境が作り出しているんですよね。もうそりゃああんな女の子に生きたいって言われたら私でもこの体差し出しますよ、本当。

 というわけで短いですけど今回はこの辺で締めたいと思います。『未来ラジオと人工鳩』は短いながら良作でしたね。批評空間の悪評に押されて購入をためらった人にも是非やって欲しいそんな作品でした。