【寄稿】バンバンバンブルビー【Twelve Minutes】
友人に勧められるがまま、内容をほとんど確認せずに購入した『Twelve Minutes』というゲーム。
今作は、12分間のループに囚われた主人公が些細な行動の変化を起こす事で物語の背景を読み解き、ハッピーエンドを目指す物語となっている。
この記事にはTwelve Minutesのネタバレを含みます。
ゲーム未プレイの方、今後プレイする可能性がある方は閲覧非推奨です。
【あらすじ】
12時を指していた時計は自宅のドアをくぐった瞬間に動き始める。
マンションの立派な廊下とは打って変わり、最低限の生活必需品だけを置いたような極めて簡素な自宅。
味気ない毎日に色を添えるのは4枚の絵画と寝室の草(あと妻も)。
どうやら今日はサプライズパーティーとの事らしい。
思い当たる節はないが、妻がチョコレートケーキとプレゼントを用意してくれているようだ。
無償で祝ってくれるのならばぜひとも享受しておこう。
妻はプレゼントを取りに寝室に一度戻った。
私は待ち切れず、チョコレートケーキに手を伸ばした。
「これは、うん。なかなか、おいしい」
妻の愛情がこもった手作りのチョコレートケーキ。
正直、駅前に最近できたケーキ屋のチーズケーキの方が好みではあるが(もちろん、1人で食べた)、まあ良しとしよう。
プレゼントを持って部屋から出てきた妻は一瞬呆気に取られたような顔をした後、急に怒り出した。
チーズケーキの話は心の中で留めたので、妻が怒る理由が見当たらない。
「せっかくのパーティーなんだ。怒っていたら、美味しいものも美味しくなくなってしまうよ。」
説得虚しく、妻は興奮したまま部屋を出て行ってしまった。
自作ケーキの足は早いので、私は妻の分も食べることにした。
流石に2個目のチョコケーキは味のくどさに耐えきれず、半分以上を残してしまった。
ラップをして冷蔵庫に戻し、妻が戻ってきた時に食べてもらえるようにした。
なにやら廊下が騒がしい。
やれやれ、もう戻ってきたか。突発的に家から出ていくような行動をする人間はつまるところ構って欲しいんだよな。
内心で毒吐きながら椅子から立ち上がり迎合の姿勢を見せる。
こういう細かい気遣いが夫婦仲を円満に取り持つポイントだ。
ガチャリと扉が開く音がして、部屋に入ってきたのは妻と、見知らぬスキンヘッドだった。
ハゲが声を荒げて言うことによると、妻には8年前に実父を殺した殺人容疑が掛けられているようだ。どうやら、彼は警官らしい。
一切気づかなかった。8年前と言えば自分と出会った頃ではないか。
裏切られた気持ちと妻を信じたい気持ちが9:1くらいで揺れ動く中、警官によって拘束されてしまう。
この世の中に、警官が自宅に入り込んで来た際に盲目的に妻を庇える聖人君主たる人格者様は一体どのくらいいるのだろう。
国家権力には逆らわないに越したことはない。だって、自分の命は一つだけなのだから。
どうやら警官は証拠品となる懐中時計を探しているようだ。
しかし、妻はそんなもの知らないの一点張り。話は平行線で埒があかない。
痺れを切らした警官がこちらに向かってきて、私の背中にまたがり、くびを、しめ。て。いき。。が。
そして気づいたらタイムリープを起こし、自宅に入ってきた場面まで戻される。
この感覚はクセになりそうだ。
この後、ループを繰り返すことで妻の殺人容疑の真偽、警官の目的と妻との関係、8年前の真実が少しずつ分かっていきます。
なんやかんやがありまして、主人公こそがサラの父親(主人公の父親でもある)を殺した犯人"モンスター"であることが判明します。
モンスターであることを自覚した後に懐中時計に触れると、父親がいる謎の空間(58分の世界)に引き込まれ、父親と対峙します。
選択肢によって3種類のエンディングに分岐します。
【感想・考察とか】
覚えていません。
忘却をすることでのみ、本当の意味で時間の糸を落とし、今まさにこの瞬間を生きているという体験に近付けるので。
おわり