マダツボミの観察日誌

ギャルゲーマーによる、ギャルゲーやラノベの感想、備忘録とか

弱キャラ友崎くん Lv.2,3感想【ガチ勢とエンジョイ勢のあいだ】

 昨日、『弱キャラ友崎くん Lv.1』の感想書いたばかりですが、Lv.2、3と読んでみて面白くなってきたので感想をば。ラノベはすぐ読み終わりますね、これ書いてる時間のほうが1冊読むのより時間かかってるかもしれません。

弱キャラ友崎くん Lv.2 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.2 (ガガガ文庫)

 

 3巻までやってきて、ようやくこの物語の本質というか、本当のテーマが現れてきました。『日南葵の人生観を友崎文也の人生観で倒す』ということです。

 1巻、友崎くんは葵ちゃんから出されるクエストをある種淡々とこなすだけのロボットでしたが、2巻で葵ちゃんに勝つためにみみみに協力し、3巻最後で反抗します。『花火大会の最後に、菊池さんに告白する』、これは彼に疑問符を与えます。勿論読者にも疑問を与えました、それって誰かに指示されてやるもの?と。

 ゲームは、『プレイヤーがキャラクターを操作して、与えられた目標をクリアするもの』と定義できます。人生をゲームだとする葵ちゃんの主張からすれば、今動いている自分はキャラクターであり、第3者視点から自分を動かして、目標をクリアするということになります。葵ちゃんの目的は恐らくあらゆることでナンバー1になることで、それをプレイヤーという視点から見ることで達成感を味わっている、とそういうことだと思います。そんな葵ちゃんからすれば、リア充になるという目標を達成するために、一番いいタイミングで告白をするというのは合理的ですね。

 ここで友崎くんの考えは違いました。目標=リア充になるために、プレイヤーとして効率的な行動を選択する(身だしなみを整えたり、話術を勉強したり)のは当然だが、あくまでキャラクター=自分の気持ちと行動が一致していることが大前提だと主張します。そりゃそうです。あくまでリア充になるのはキャラクター=友崎くんが人生を楽しむためのものですから。納得しないまま告白して付き合うことになっても、もやもやするかもしれないし、相手にも失礼だと。感情的にはこちらを支持したい気持ちがあります。

 ここで、最強超人である日南葵と意見の衝突があります。キャラクター=人間の感情なんてものはその場その場で変わってしまう不確実なもので、それを元に選択を決定するなどナンセンスであり、もっと長期的な視野でもって一番正しいやり方を選ぶのが最適であると。葵ちゃんは、ヒロインからもらった特にゲームを進める上で支障のない宝石を即店売りして強い装備を買うタイプの人間ですね。ただこの娘の言うことも一理あります。多くの人間は弱くて、その時の感情に左右され、いろんな成功の道をとざしているという事実もあります。どんなことにも誰にも負けない努力を積み重ね、あらゆることに勝ち続けてきた日南葵だからこそ、この言葉が言えました。

 そこで友崎くんは言うわけですね、それでも自分が本当にやりたいと思ったことをやると、プレイヤーとして効率を追求するのも大前提としてあるけれど、キャラクターの目線で楽しんできたから、俺はアタファミで日本一になれた、人生でも一緒だと。

 さて、彼等の意見がすれ違う理由は、目標が異なるからです。日南葵は恐らく理想の自分になることが第一位、友崎文也は人生を楽しむことが第一位です。すれ違いは必然です。でもこれってバランスの問題ですよね、振り切れちゃったのが日南葵で、折衷案が友崎文也。普通に考えたら、振り切れちゃってる奴に勝てる余地はないのですが、それだと物語として成立しないので、何かを起こしていくのでしょう。彼らが再び交わることができるか、続巻が気になります。キーとなるのは、日南葵がルールの中で最大限努力して勝利してきた人間であるのに対して、友崎文也はルールそのものを変革することができる人間という所でしょうか。

 

 さてストーリーの話は置いておいて、ヒロイン’sの話をしていきましょうか。何はともあれ、菊池風香ちゃん可愛すぎですね。引っ込み思案で、擦れてなくて、でも好きなことになると一生懸命話しちゃうという、オタクが好きなキャラしてます。私も大好きです。ただ最近ヒドインを見すぎたせいで、いつ彼女が本性を見せるかびくびくして読んでました。が、今のところ大丈夫そうですね。図書館で同じ本を好きになって、仲良くなるというシチュエーションは個人的ボーイミーツガールシチュエーションの中でも上位に入ります。とても良い!現実に絶対ない所も含めて良い!友崎くん、悪いことは言わないから日南葵とかいう化け物はやめて、この娘にしな?ね?ね?

 Lv.2のヒロインである、みみみも可愛いですね。明るく一生懸命頑張る女の子は可愛いです。それに、どうしても勝てない相手に嫉妬しちゃう自分が嫌だから、自分から距離をとろうとするところとか本当に人の好さが出ていていますよね。人間追いつめられたときに、本性が分かると言いますが、みみみちゃんは本当にいい娘なんだなって思います。好き。幸せになってほしいですね。

 

 巻が進むごとに、ヒロイン達も深堀されていき魅力的になっていきますが、さてヒロインレースに勝つのは誰でしょうか!ギャルゲーだったら他のヒロイン全員を攻略するとTRUEルートで葵を攻略できるという風になりそうですね。

 ということでまた次巻の感想にでも。ではでは。 

弱キャラ友崎くん Lv.1感想【人生は神ゲーか?】

 今回は『弱キャラ友崎くん Lv.1』の感想を残していきます。

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

弱キャラ友崎くん Lv.1 (ガガガ文庫)

 

 本作は『このライトノベルがすごい2020』で3位に入り、アニメ化も決定するなど、巷では評判の作品のようですね。私もタイトルに惹かれたのと、Kindle Unlimitedの対象だったので読んでみました。

 この作品は『人生はクソゲーだ』と言って現実から逃げている、陰キャ友崎くんが、自分の大好きなゲームの中で出会った最強のリア充である日南葵に『人生の攻略法』を教わり、変わっていくと言う話です。

 まず、作品の面白さどうこうはおいておいて、この作品が現代中高生の中で流行っているという事実に価値があると思います。この作品の主ターゲット層である陰キャ、これ読んでて辛くないか?最初ヒロインの葵ちゃんに事実とはいえボロッカスに言われて、それでもその先を読もうっていう所に、現代な中高生の前向きな意志を感じました。明るいな日本。みんなこのラノベを読んで、リア充まではいかなくても、それなりにコミュニケーションをとれる人間になるんだぞ・・・。

 

 さて、リア充であるのがこの世界の正しさなのか、そもそも正しいってなんだよって言う話をすれば、正しいことなんてないよっていうのが模範解答ではあると思います。ですが、こと学校という小さなくくりで持ってすれば、リア充であることが優れていることであるという【空気】がありますね。人生をゲームとして例えればそういうルールのゲームになっているわけです。ゲームをやる中で、ルールそのものに突っ込むのはナンセンスですね。本作の主人公である友崎くんも、それは理解しながらも、そこに至る道筋が分からないので、端から諦めているわけです。

 『人生はクソゲーだ』と言い訳をして。  

 

 人類全体を見れば、勿論『人生はクソゲーである』と私も思います発展途上国や紛争地帯で生まれた子供たちと、物が豊富にあふれていて、職業選択の自由があり、教育を全員が受けることができる日本で生まれた子供たちとの間には、絶対に越えられない壁があります。それでも努力次第で――という人もいるかもしれませんが、そもそも努力しようという発想にいたれない環境というの間違いなく存在し、それを努力次第でというのは筋違いです。キャラ差がはっきりしています。

 ただ、日本のそれも埼玉という都心の学生という視点で見れば、『人生はクソゲーである』なんていうのは、言い訳でしかないとも感じます。勿論、虐待を受けているなど家族環境的要因もあるので一概には言えませんが、少なくとも友崎くんの場合はそうじゃない。主語がでかいから話がややこしいわけですが、彼らは別に世界全体の話をしているわけじゃなくて、もっと小さなコミュニティの中でクソゲー神ゲーかの話をしているわけです。持論を語る上で、つい主語が大きくなってしまうことはありませんか?そこを勘違いすると、この作品を楽しめないと思います。

 私もまごうことなき陰キャなのでわかるのですが、陰キャは何かしら言い訳をつけて、現実から逃げようとします。世界は不平等だから~とかセンスがないから~とか、喋るのがへたくそだから~、俺は独りのほうが楽しいから~と。でもそういうのを日南葵が最初にたたきつぶしてくれる。お前リア充になったことないのにリア充のことがわかるのかよ?と。かつてこんななに主人公のことをボロッカスにしたヒロインがいたでしょうか。

 じゃあお前陰キャの気持ちわかるのかよ?と聞きたくなるところですが、話の流れからきっと葵は昔ゲームばっかりやってる陰キャだったんでしょうね。その中で理詰めでストイックに物事を極めているnanashiに憧れて、自分も頑張ろうと思ったとかそういうことなんでしょ、私は知ってるよ。もし違ってたら桜の木の下に埋めてもらっても構わない(スコップ用意しないでお願い)。

 それで、友崎くんは小さなところから変わっていきます。見た目から変えるために、表情や姿勢を矯正したり、隣の席の女の子に一日一回声をかけるなどなど。この作品の良いところは、なんだかんだみんな優しいところですよね。これが『西野』の世界だったら、一瞬でヤバい空気になってハブられて虐められてますよ?

 また、女の子も何故か最初からそこそこ好感度があります。菊池さんはギャルゲーキャラ並に最初から好感度高いし、みみみちゃんも気軽に声をかけて来るしと。その辺は現実的ではないんですが、まあでも現実的でないからこそ話に彩りがあって、これを読んで明日から自分も頑張ろうとなるんじゃないでしょうか。こんなんリアルに寄せたらひどい話になるぞマジで。

 

 『人生は神ゲーである』かどうかは微妙なところではありますが、恐らく『人生なんてクソゲー』って言ってる人のほとんどは、ここで言う神ゲーにする可能性を持っていると思います。だから言い訳せずに、どうしたら神ゲーにすることができるかを考えて、それに対して全力で頑張れ!っていうのがこの物語の主張なんでしょう。社会人からすれば新人研修でやるような当たり前の話ではありますが、多分中高生の時にこれを読んでいれば、すげー面白かったし、マスク買って笑顔の練習とかしていたと思います。何百の自己啓発本を読むよりも、一人の可愛い女の子に言われた方が、男の子は変われますよね(著者調べ)。

 ただ私はもうずいぶん前に学園生活とかいうのを超越しちゃったんですよね・・・。そこがこの作品を楽しみ切れなかった点だと思います、悔しい!これが歳をとるということか!

 でもこれからどう友崎くんが変わっていくか、葵ちゃんとの距離を縮めていくかといった恋愛事情は気になるので、次巻以降も読んでみたいと思います。

 ということで今回はこの辺で、ちょっと予想とは違った作品でしたが、普通に楽しませてもらいました。ではでは。

 

祝!sprite復活

 ちょっといつもの感想ブログとは毛色が違うんですが、あまりに嬉しかったんで書かせてください。

 祝!sprite復活!!!!!!!!!!!!!!!!!!

https://sprite.org/information/2019/11/28/id-644/#

 エイプリールフールにはまだ早いよね?嘘じゃないよね!?

 昨今、店仕舞いが加速している美少女ゲーム業界で久しぶりにいいニュースを聞きました。正直完全に諦めてたので、その分嬉しさもひとしおです。こんなに嬉しかったのは、KIDが倒産した後にサイバーフロントが買収して、メモオフ5のファンディスクが無事発売したとき以来です。

 え、情報が遅いって?最近twitterをはじめとした情報収集手段を全て捨てたので、自発的に調べないと、情報が入ってこないんです(言い訳)。

 なんで2か月もたって気づいたかと言えば、このブログの蒼かな感想記事が何故か結構読まれているようで、久しぶりに気になってspriteで検索したら普通にHPが更新されてて気づきました。復活の二文字を見て大声だして手をたたきましたね。近所迷惑で明日怒られると思います。

 以下公式HP引用

今後につきましては、「蒼の彼方のフォーリズム EXTRA2」の制作を行いたいと考えておりますが、現在の状況を鑑みて実現する方法を検討しております。2020年1月を目処に続報を発表できればと思っておりますので、もうしばらくお待ち下さい。

 どうやら今月中にextra2の情報が出るようです。タイミング良すぎるな?さすが今年のおみくじ、大吉だっただけはある(何か関係が?)。

 そして!extra2が出るということは!tweiが出るという可能性もあるということで!夢が広がりまくりですね!本当に嬉しい!もう一度私にフライングサーカスを見せてくれ!!!

 絶対extra2買うから、twei絶対出してくれよな!絶対だぞ!!

 

oceans-game.hatenablog.com

【なろう感想シリーズ②】『セブンス』

 この間読んだ【乙モブ】が面白かったので、同じ作者様の【セブンス】を読んでみたんですが、これ面白いですね。一気に読んでしまいました。お陰で寝不足です。

 ここから先、ネタバレゴリゴリ書くのでご注意を。

 

 この作品のどこがよかったかと言えば、前半戦は”らいえるサン”、後半戦は純粋に物語の展開ですかね。

 前半戦のらいえるサン出現回では机たたいて笑ってましたね。主人公【ライエル】の序盤は(宝玉のせいもあり)本当に貧弱で、魔法数発打ったら倒れるし、ヒロインの【ノウェム】のおんぶにだっこで、しかも宝玉の中にいる歴代ウォルト家の面々のいいなりと、正直ストレスフルだったのですが、そんなストレスを解消させるかのように、成長した後のライエルは最高でした。私も物語を読みつつ、歴代の面々と同じように笑ってました。最初はこれが楽しみで読んでいた所があります。個人的ベストライエルは、ヴェラにいった「気をつけろ。俺の事を考えるなよ。考え続けたら、俺に惚れるぞ」ですかね。これで落ちるヴェラはマジチョロイン・・・いや流石はらいえるサンと言ったところでしょうか。ああでも、ノウェムに愛の告白をして微妙な顔でスルーされるらいえるサンも捨てがたい!ベストライエルを決めるのはなんて難しいんだ!

 後半戦は純粋に面白く、先が気になりすぎて土日が溶けました。酸いも甘いも経験して、歴代のスキルを吸収し、成長を重ねて強くなったライエルが、セレス打倒のためあの手この手で味方を作っていくという展開ですが、色々な思惑が錯綜する中、手のひらでいろんな勢力を転がしていく様子が上手く描かれており、感嘆しました。

 この作者様の作品は、現実よりの話を書きますね。正しいことが只管に正しいんじゃなくて、正しいことの裏では泣いてる人もいるということがよく表現されています。それを表すように、純粋に悪が成敗されるというだけではなく、時には罪のない人々、無知は罪とも言いますが、も主人公の目的を果たすために犠牲になっていきます。ベイムの村人たちが、バンセイムの騎士たちに蹂躙されるシーンは印象的ですよね。その瞬間その瞬間で見れば、ライエルがやっていることは決して正しいとは思えない。でも、だからこそ、ライエルの行動に強い説得力が出ていました。やっぱり皇帝たるもの血を流さなきゃいかんと思うわけです。

 ちょっとチートを持ったからといって、人はついてこないし、理想を追い求めてもそもそも理想なんてものは存在しない、可愛い女の子を集めたハーレムも実際はドロドロで常に臨界点で迂闊に手もだせない、そういう話を描く所に好感が持てました。

 キャラの話をしましょう。今作はやっぱり歴代ウォルト家の面々が魅力的でしたね。3代目、5代目は登場期間も長かったこともあり、すごい好きなキャラ達でした。困った時にはいろんな助言をくれる、強い当主たちは本当にカッコよかった。嫁に弱いなど少し抜けているところも微笑ましいです。6代目の修羅場は最後まで笑いましたし(まさか6代目がネタキャラになるとは)、妻が一番多い5代目が一番まともな夫婦生活送ってるっぽいのも面白いです。

 また勿論ヒロイン達も可愛かったです。個人的一番は、なんだかんだ言ってもノウェムですね。最終章の女神や邪神の記憶を消されたノウェムが本当に可愛かった。1話から最後の最後まで感情を失ったヒロインでハーレム推奨!とかやってたのに、急に感情を取り戻して私以外を見ないで欲しい、私あなたと彼女達を殺してしまうかもしれないって言い出した所がほんと好きでした。冷静に、こいつ何言ってんだ?・・・って所もありますが、だがそこがいい!

 最終章の「私がライエル様の一番だ。お前らは全員仲良く、二番目の椅子を取り合っていろ」は最高に好きですね。好きすぎてそのシーンだけ何度も読んでしまいます。お前が言うかそれ?っていう。作中でもちらっと言ってましたけど、結局【セブンス】のストーリーってノウェムの盛大なマッチポンプですよね。成長するライエルを見たかったから、怪物になったセレスを放置して、弱ったライエルを支えながら仲間を増やしつつ、全世界を巻き込んで大戦を起こした末に、痴話喧嘩っていう。なんて迷惑なやつだノウェムちゃん、だがそれがいい

 そのほかだとやっぱりシャノンとヴェラでしょうか。あの辺りは普通に可愛いですよね。シャノンは最初の登場からは想像もつかない駄目さが可愛かったし、ヴェラは純粋に癒しでしたね。アリアも癒し枠なんですけど、彼女強いですからね。

 通して、【セブンス】も前回感想書いた【乙モブ】と同様に、しっかり構成が練ってあり、読んでいて安心してました。ああこれ終わるなって言うのが分かると読む気になりますよね。

 ただ【乙モブ】と違って初速が弱かったです。初期の作品だからって言うのもありますよね。最初にも書きましたが、100話ぐらいまではウォルト家の麒麟児(大爆笑)のライエル君が貧弱すぎて、話の展開が微妙でした。ストーリ―の中で主人公の成長を対比させるために、わざと弱い状態を続けたのだとは思いますが、その期間が少し長かったかな?とも思います。多分「これは面白い作品だ」と聞いていなければやめてたかもしれません。ただセレスと再会して、ベイム入りしてからの大戦は本当に面白く、年甲斐もなくワクワクしました。

 どうやらコミカライズもするようで、どうなるか楽しみですね!時間があれば書籍版も読んでみたいと思います(完結してたらすぐに買うんですが・・・)。

セブンス 1 (ヒーロー文庫)

セブンス 1 (ヒーロー文庫)

 

  というわけで今回はこの辺で、ではでは。

【タイトルとパッケージに騙されることなかれ】きまぐれテンプテーション感想

 ちょっと時間ができたので、シルキーズプラスわさびさんの『きまぐれテンプテーション』プレイしました。

 ミドルプライスの作品(DMMでなんと3500円!安い!)なので、ボリューム自体は少なかったです。ですが、少ないながらに伏線がちりばめられ、良くまとまっていた作品だったんじゃないかなぁと思います。

f:id:saijunior2002:20200111201758p:plain

 なんか曖昧な表現なのは、プレイ中ビビりまくってちゃんと内容を把握しきれてなかったからですね・・・。この作品、こんな見た目しときながら、ジャンルがホラーミステリーで、話がめっっっっちゃ暗いです。

 私はあんまりというか、”全く”ホラーが得意ではないんですが、ヒロインのあまりの可愛さとエロさにつられて買ってしまいました。だって、最初の顔と胸をガラスに押し付けて主人公と対面するシーン良すぎません?こんなん買うしかないやん。

 ただ、ビビってたせいでプレイ中伏線を結構見落としているなど、勿体ないプレイの仕方したなぁと。ビビってた割には意外とホラーにありがちな突然脅かして恐怖を煽ってくるような展開は少なく、その点はありがったかったです。冷静に読み直せば伏線がちりばめられており、ちゃんと読んでいた人は早期に結末が見えていたんじゃないでしょうか?

以下ネタバレ含みます。

f:id:saijunior2002:20200111202825p:plain プロローグからこの作品を始めたことを少し後悔し始めていた

 伏線について、アンネとHの回数や場所で、異界化の進行度が変わるなどは本当によくできているなあと。勿論1週目は欲望に忠実に行き過ぎて、バッドエンド直行しました。また結末まで見てみれば、芳香剤や一人称の変化などもなるほどね、という感じです。

 調査パートについて。最初は面白かったんですけど、2週目以降結構めんどくさかったのでその辺は考えものかなぁと。1週目プレイしてたときは拠点でお札を貼りなおさないと侵食されてゲームオーバーとか考えてましたが、普通に貼りなおそうが貼りなおさまいが侵食されてましたね。

 ストーリーはかなり重かったですね。カルト宗教によって起こされた集団自殺事件。一人を除いてみんないい娘たちだったのも胸が痛いです。特に、花音ちゃんがあまりにも可哀想すぎてつらかった。暴力を散々受けて、薬漬けにされて、殺されるって、絶望のフルコースすぎんだろ・・・。ただ、この世界は比較的幽霊がやれることも多いようなので、そこだけは少し救いなのかなと。

 TRUEエンドは・・・あれどうやったんですかね?左腕を失っていたので、霊体に左腕を食わせて再臨させたんでしょうけど、どうやったらアンネの形になるのか謎です。最後のシーンでアンネの存在を主人公の心に刻み付けた的なことを言ってたので、心の一部を霊体にすることとかできるんですかね?もしかしたら過去作品やってると分かるのかもしれません。

 総じて、物語としてよくできており、楽しくプレイできる良作でした。今時一人のキャラでマルチエンディングって珍しいですよね、久しぶりに選択肢を真剣に考えました。アンネちゃんがHだったのも非常によかったですね。途中、アンネとの明るいやり取りが明るいBGMとともに入っていたので、めっちゃ暗い話もあまり苦も無く読めました。ミドルプライスでほどほどの文量だったのも大きいです。これ長々とやられたら心が折れて途中でやめてたかもしれません。 シルキーズプラスさんはアペイリアの時も思いましたけど、この辺りの匙加減が上手ですね。重い作品をうまくエンタメに落とし込んで、とっつきやすくしていると感じました。

 というわけで今回はこの辺で、ではでは~